第16回読書会 バーニー・クラウス『野生のオーケストラが聞こえる』を読む  

日時:2022年5月12日(木)20:00~
形式:zoom

音の世界を人間を超えて捉えることはいかにして可能か。今回は、バーニー・クラウスの『野生のオーケストラが聞こえる:サウンドスケープ生態学と音楽の起源』(伊達淳訳)みすず書房、を読んで、探ります。
 
本を読んだ人であれば、どなたでも参加できます(無料)。

zoom URLは、氏名・所属・関心を明記の上、5月10日までに

hosakanorihisa@gmail.com
5057125@rikkyo.ac.jp

までリクエストしてください。
開催時間前に、指定のメールアドレスに送ります。

野生のオーケストラが聴こえる : サウンドスケープ生態学と音楽の起源 - 東京 下北沢 クラリスブックス  古本の買取・販売|哲学思想・文学・アート・ファッション・写真・サブカルチャー

第15回読書会 Atsuro Morita"Multispecies Infrastructure”/猪瀬浩平『分解者たち』を読む

日時:2022年5月9日(水)20:00~
形式:zoom

タイのチャオプラヤ・デルタの環境インフラストラクチャーを扱った、 Atsuro Moritaの"Multispecies Infrastructure: Infrastructural Inversion and Involuntary Entanglements in the Chao Phraya Delta, Tailand”, ETHNOS 84(4): 738-757, 2017. と、東京近郊の広大な緑地での農的経験を取り上げた、猪瀬浩平(写真:森田友希)『分解者たち:見沼田んぼのほとりを生きる』生活書院を読みます。
 
論文を読んだ人であれば、どなたでも参加できます(無料)。

zoom URLは、氏名・所属・関心を明記の上、5月7日までに

hosakanorihisa@gmail.com
5057125@rikkyo.ac.jp

までリクエストしてください。
開催時間前に、指定のメールアドレスに送ります。

論文が入手できない場合は、事前に相談ください。

*関連FWの申し込みは、4月30日までです。

 

 

【第7回フィールドワーク】 2022年4月 静岡中部の茶をめぐるマルチスピーシーズなランドスケープ

新茶摘みの季節、我々は静岡県中部を歩いた。まずは、ふじのくに茶の都ミュージアムを訪れた。茶を知るための必要な情報が、そこにはあった。

生葉はすぐに加熱すれば緑茶、少したってから加熱すると青茶(ウーロン茶)、長い時間を置いてから加熱すると紅茶となり、それらはそれぞれ酸化による発酵度の低さ・高さに対応している。

茶の原産地の雲南から世界に広がった茶は、野菜が不足するモンゴルでは固形茶を煮出して、山羊のミルクを加えた乳茶の習慣を生み、タイやミャンマーでは、漬物として食べられるようになるなど、各地で茶をめぐる多様な飲食文化を生んだ。

日本には、鎌倉時代の禅僧・栄西によってもたらされ、その後、中国の喫茶習慣の影響を受けながら、独自の発展を遂げてきたのである・・・・・・

今回我々が、特に焦点をあてたのは、世界農業遺産にも登録された、静岡県に見られる「茶草場農法(ちゃぐさばのうほう)」である。茶草場とは、ススキやササなどの草が、人の手によって管理されている草地のことである。

刈り取ったそれらの草を茶畑の畝間に敷くことで、茶園の保温・保湿につながり、土中の微生物を繁殖させて土壌改良を促進し、雑草の繁茂を抑制するなどの効果があるとされる。そのことで、茶の香りや味を高めることにもなるという。

毎秋、茶草場の草刈りが行われ、そこに生息する植物にも光が届くのである。そして、そのことにより、茶草場は植物だけでなく、虫や動物などを含め、多様な生命が息づく場となりえている。つまり、人の手で茶草場が管理されることによって、人にとって高品質の茶とその文化が生み出されるだけでなく、多種(マルチスピーシーズ)の生もまた可能となってきたのである。

我々は、そうした静岡中部における、モア・ザン・ヒューマン(人間以上)のマルチスピーシーズな世界についてあれこれ語り合いながら、往復2時間かけて、掛川市の東山地区の粟ヶ岳を登り降りた(登りは、けっこうきつかった)。

その後、静岡県立中央図書館にも立ち寄って、文献資料を調べて、東京に戻った。

第14回読書会 Sarah Besky "Exhaustion and Endurance in Sick Landscapes”を読む

日時:2022年4月27日(水)20:00~
形式:zoom

インドの茶プランテーションの労働を扱った、人類学者Sarah Besky の"Exhaustion and Endurance in Sick Landscapes: Cheap Tea and the Work of Monoculture in the Dooars, India".を読みます。以下の論集に、第1章として収められています。How Nature Works: Rethinking Labor on a Troubled Planet. Edited by Sarah Besky & Alex Blanchette, 2019, University of New Mexico Press. 

ファシリテータ 張威(立教大学大学院)
 
論文を読んだ人であれば、どなたでも参加できます(無料)。
論文が手元にない場合は、事前にお申込み下さい。

zoom URLは、氏名・所属・関心を明記の上、4月25日までに

hosakanorihisa@gmail.com
5057125@rikkyo.ac.jp

までリクエストしてください。
開催時間前に、指定のメールアドレスに送ります。

 Amazon | How Nature Works: Rethinking Labor on a Troubled Planet (School of  Advanced Research Advanced Seminar) | Besky, Sarah, Blanchette, Alex |  Cultural


【第6回フィールドワーク】 2022年4月 鶴見川をくだる

総合治水に取り組んできた鶴見川を取り上げた『生きのびるための流域思考』を読んだ。水害に苛まれた流域の人々を助けるだけでなく、自然をよく知り、保全し、持続可能な未来を築くための志に貫かれたその自然管理実践には、非の打ち所がない。

その本を参考にしながら、我々は今回、結果として、人新世という問いを背景として、人間が何をやっている(きた)のか、という問題意識を持ちながら、鶴見川をくだって行ったことになる。

京王相模原線南大沢駅から歩いて45分ほどで、鶴見川源流の森にある源流の泉に辿り着いた。鶴見川はここから東京湾まで42.5キロを流れているとされる。

上小山田みつやせせらぎ公園では、昨年から蛍がいなくなったという話を聞いた。幼虫の餌となるホオの葉が、ある開発事業の影響で川面に落ちなくなったのかもしれないという。近くでは、ネズミホソムギなどの花粉症を誘発する種を抑制するために、ノカンゾウやヤブカンゾウが植えられている場所があった。鶴見川の淀みには、鯉が泳いでいた。

山の端橋、新竹ノ内橋を越え、我々は先を急いだ。ここからずっと護岸がしっかり築かれているということが、印象に残っている。

町田市の図師を越えると、川べりには鷺。たくさんの生きものたちに会った。

恩廻には、洪水時に水量のピークをカットする治水施設である恩廻遊水池があり、地下に10万トンの洪水を貯留できるという。

小机では地域防災施設鶴見川流域センターを訪ね、「洪水時水マネジメント」「平常時水マネジメント」「自然環境マネジメント」「震災・火災時マネジメント」「水辺ふれあいマネジメント」という5つの水マスタープランに関わる展示を見学した。地下が遊水池になっている日産スタジアム(横浜国際競技場)にも立ち寄った。

特に鶴見川とは直接の関係はないのかもしれないが、横浜市の鶴見川の支流に位置する町の整然たる佇まいに我々は印象づけられた。人間の使い勝手や快適さのためにデザインされたであろう都市空間。自然は人が用い、人の目に心地よく整えられていた。そこに、自然が息づいているのだ。逆に、そこには攪乱的な要素のようなものはないように思われた。こうした見取り図は、ことによると、鶴見川流域で、人の観点から、人のために、河川とその周辺地が整えられることとパラレルなのかもしれないと、我々は話し合った。

鶴見は、鶴見川河口近くに開かれた東海道の宿場町であった。京浜東北線鶴見駅を降りて徒歩で10分ほどで、鶴見川に辿り着いた。東京湾の上げ潮時には、海水が侵入する感潮河川である鶴見川からは、ほんのりと潮のにおいが漂ってきた。ウミネコが、我々の到着を迎え入れてくれたかのようだった。鶴見川の川幅は、とても広くなっていた。

生麦河口干潟には、鶴見川の源流から42.5キロの看板が立っていた。

メンバーによるnote記事も参照のこと。

エドワード・ポズネット『不自然な自然の恵み』を読む

日時:2024年6月21日(金)20:00~  形式:zoom   エドワード・ポズネット『不自然な自然の恵み 7つの天然素材をめぐる奇妙な冒険』桐谷知未訳、みすず書房(2023年)を読みます。 本を読んだ人であれば、どなたでも参加できます(無料)。 氏名・所属・関心を明記の上、...