日時:2022年2月21日(月)20:00~
形式:zoom
福島第一原発事故後に、巨額の国費が投じられ、除染が進められた。東京ドーム18杯分の汚染土の最終処分地は決まっていない。
今回は、日野行介『除染と国家ーー21世紀最悪の公共事業』2018年を取り上げます。
本を読んだ人であれば、どなたでも参加できます。
zoom URLは、氏名・所属・関心を明記の上、5057125@rikkyo.ac.jpまでリクエストしてください。
研究者、大学(院)生、実践家など、異業種・異分野を背景とする人たちが集い、人類学その他の人文学の書籍や論文などを読んで意見・情報を交換し、思索を深めていくために設けられた、ボランタリーな研究共異体です(傷ついた地球研究会、In-Pro Gath[日本列島人新世調査研究共異体]改め)。共同代表者:保坂昇寿(写真家)・奥野克巳(人類学者)・張威(大学院生)・宮脇陸人(浪人生)
日時:2022年2月21日(月)20:00~
形式:zoom
福島第一原発事故後に、巨額の国費が投じられ、除染が進められた。東京ドーム18杯分の汚染土の最終処分地は決まっていない。
今回は、日野行介『除染と国家ーー21世紀最悪の公共事業』2018年を取り上げます。
本を読んだ人であれば、どなたでも参加できます。
zoom URLは、氏名・所属・関心を明記の上、5057125@rikkyo.ac.jpまでリクエストしてください。
高松入りした我々はまず、県立図書館に向かい、資料・情報収集に努め、その後、高速フェリーで豊島の家浦に向かった。
我々は、豊島産業廃棄物処分地(いわゆる豊島事件の現場)を訪ねた。
1975年に産廃業者による不法投棄が始まり、事業者と香川県の「協働」により、次々に産廃物が島内に持ち込まれ、野焼きなどにより異臭を発するようになり、遠く高松市の県庁の上層階の窓からもその煙は見えたという。1990年に産廃業者は兵庫県警の強制捜査を受け、その後住民は公害調停を申請し、2000年になってようやく香川県と住民間で調停が成立し、その後、処理事業が続けられてきている。これまで91万トンの産廃が島から運び出され(10トントラックで豊島から東京間の距離になるという)、瀬戸内海に排出される地下水の浄化も進められている。事業予算が終了する予定の2023年3月に向けて、現状10数人態勢で進められている処分場を我々は見学した。
産廃業者の事務所を利用したつくられた産廃資料館には、かつてこの島に運び込まれ、不法投棄された産廃から剥ぎ取ったシュレッダーダストが壁面いっぱいに展示されていた。それは、現代において人類が持つようになった「ごみ問題」の象徴であり、その前で、言葉を失い、圧倒された。
現在でも産廃の処理作業が進められている現状で、2009年から「瀬戸内国際芸術祭」が開かれるようになり、豊島には豊島美術館も建設され(2010年開館)、豊島にはアートによって地域振興し、再生していくというイメージがある。この点に関し、住民の意見をうかがう機会があったが、それは可能性である一方で、新たな試練であるという見方がなされたのは、とても示唆的だった。
地域アートは、構造的には、利益第一主義がもたらした産廃の再生産に他ならないのではないかという意見には得心がいった。島は行政上の出先であるため、島の住民の健康や福祉向上のために非常勤手当をもらって仕事を請け負っているかたちになっているが、そのことは、観光客のための健康や福祉をもまた担わねばならないという方向へと転じてきているという。コロナ禍において一層顕在化したのは、島の住民が患者の搬送作業などに従事することで、感染を避けるために仕事を事後に控えねばならず、経済活動としてアートがあべこべに島に試練をもたらすという事態である。クリスチャン・ボルタンスキーであれば、アートや観光を推し進める経済優先の考えではなく、そうした問題を抱えている住民の試練に同情したのではないだろうかという言葉がとても印象に残った。
そのボルタンスキーの作品であるとされる「ささやきの森」を訪れた。確かに、訪れた観客風鈴そのものを加えることで、作品そのものに観客が加わることができるというのは画期的だ。そこでは、自然の振る舞いが可視化ではなく、可「聴」化されている。無音、風鈴の音の強弱により自然を捉えること、自然を耳で触れることができる。しかしそれ自体、とても人工的な仕組みであり、人間に対してもたらされる音が捕らえられるということなのではないか。それであれば、もっと根源的に、山水自体がお経のようだと言った鎌倉時代の道元禅師のように(「山水経」『正法眼蔵』)、自然の音を聞くという感性を養うということのほうがより「自然」であるようにも思われる。アートとしては、この作品は、そういったことをああでもないこうなのかと考えてみることの大切さを示しているのだとも言えるのかもしれない。
1960年代に始まった過疎化の影響で、かつての「食の豊かな島」では、農地が荒廃したという。瀬戸芸を機に、現在、豊かな農作物と見事な景観を持つ「唐櫃の棚田」の復元プロジェクトが進められている。
豊島を離れ、ふたたび高松を訪れた我々は、豊島の住民が「きどった」佇まいだと表現した香川県庁の庁舎を、(日曜なので閉まっていたため)外から眺め、東京に戻った。
日時:2022年2月15日(火)20:00~
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高度成長期に採取され、首都圏に供給された千葉県中西部の山砂の跡地には、その後、逆に産廃や残土が運び込まれた。
今回は、佐久間充『山が消えた 残土・産廃戦争』2018年を取り上げます。本を読んだ人であれば、どなたでも参加できます。
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日時:2022年1月17日(月)20:00~
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日本のごみ=廃棄物問題を概観するために、今回は、杉本裕明『ルポ にほんのごみ』2015年を取り上げます。本を読んだ人であれば、どなたでも参加できます。
zoom URLは、氏名・所属・関心を明記の上、5057125@rikkyo.ac.jpまでリクエストしてください。
日時:2025年4月14日(月)20:00~ 形式:zoom 大澤真幸/松尾豊/今井むつみ/秋田喜美『生成AI時代の言語論』左右社(2024年)を読みます。 本を読んだ人であれば、どなたでも参加できます(無料)。 氏名・所属・関心を明記の上、4月12日(土)までにzoom ...